こんばんは。週末はりきゅう治療室さとうの佐藤将和です。

 

今日はいつもとちょっと違うテイストの話です。

 

先日友人と話していて、最近わかりやすく誤解の少ないコミュニケーションが増えて来ていて、なんでもストレートなことが良いとされているようなことに違和感を覚えるという話をしました。

 

確かに、言葉通りのことのみで成り立つならばそれでいいと思うのですが、人間ってストレートに表現できないことが沢山あります。言い表せない感覚や感情、天邪鬼のような言葉の裏返し。だからこと言語には例えというのがあり、比喩という表現方法などがあるのだと思います。

 

反対にストレートに言ってしまったら雰囲気やその場の空気を悪くすることは極端に避けるようなことが増えている気がするということも話しました。

 

その場の空気や雰囲気が悪くなったとしても言わなければいけないこともあります。誰かにとって都合が良くて、誰かにとって都合が悪いこともあります。そこに踏み込んで初めて進められることもあります。

 

臨床の現場で言えば、相手が嫌がりそうな病気の話や人間関係や家族の話など、症状に関連しそうなことであれば話をしなければいけないこともあります。もちろんそれを答えるかどうかを決めるのは患者さんなのですが、施術者としてその方にとって良い治療をしようと思ったら踏み込む必要があるときがあります。回答が得られなかったもしくはその話をすることを回避されたならば、それがその相手の境界線なのですからそれを理解しなければいけません。

 

でも踏み込んでみなければ境界線が境界線であることもわかりません。境界線のような気がするところで空気を読んで踏み込まないのは相手の境界線ではなく、自分で勝手に引いた境界線です。それは行間を読んだわけではなく、行間に触れなかっただけです。

 

現在自分の持っている表現の中では表すことができない表現が行間や例えや比喩です。

 

なんでもストレートに表すということは、現在自分が表現できる表現方法の外側に出ないということです。また言わなければならないことを雰囲気を悪くするからと空気を読んで言わないのは相手の境界線に踏み込まないことと同時に、自分の境界線から外に出ないということです。

 

話をした友人は塾の先生をやっています。私は昔営業をやっていて、現在はりきゅう師です。二人とも様々な人と関わる仕事をずっとしています。

 

自分を守ることはもちろん大事なのですが、RPG(ロールプレイングゲーム)の例えで言えば、敵(課題や問題)と出会わなければ自分のレベルは上がらないという結論にその場ではなりました。

 

レベルが上がらなければこれからくるさらなる課題や問題をクリアする力を身につけることができない。まずエンカウントすることは大事だし、その習慣を身につけることで常にレベルを上げ続けることはできる。

 

ただしここで気をつけなければいけないのは、またRPGの例えになりますが、強すぎる相手と戦ってゲームオーバーになってはいけないということです。果敢に相手に挑むことは必要ですが、現実の世界でゲームと違うのはゲームオーバーになってしまったら生き返れないもしくは生き返るのには相当な時間を要するということです。

 

現実の世界では逃げることも必要です。ゲームオーバーにならないようにかつレベルが上がるような敵に挑むこと。挑んで相手が強すぎるとわかったら逃げる。

 

だとしても、また別の敵とエンカウントすることはやめない。
(ちなみに、敵という表現は例えの話であり、実際の自分にとっての敵ではありません。自分が取り組む必要のあることくらいに考えてください)

 

自分のレベルと同等もしくは少し背伸びをしないと解決できないことにエンカウントすることが自分を自分の外側に広げてくれるということです。

 

そんな話を友人として、一般的には自分の外側にはみ出すことを極端に避けている人が少しずつ増えているのかもしれないという感覚を持ちました。

 

わかりやすく伝えるというのは伝える人に理解を求めるという意味では必要なことではあるけど、やりすぎてしまうと相手の知っていることやわかっていることに帰結してしまい、結局なにも伝えていないということになりかねないと思いました。

 

人がコミュニケーションを取るということはおそらく、自分と相手は全く異なる世界を持っているという前提があり、それでも何かを交わしたいという根源的な欲求から行われるものであって、自分と相手は同じであるということを確認し合うためにするわけではないから。

 

だからこそ何でもかんでも相手にわかりやすい表現をするのではなく、自分の独自かつ相手に届くような表現をし続けなければならない。それでも伝わるのはほんのひとかけらくらいのこと、それが人と人とのコミュニケーションなんだろうと思いました。

 

少なくとも自分はそれを続けていこうと思います。